T.T.の読書日記

小説,エッセイ,ノンフィクションなどの感想を書きます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「嫌われる勇気」岸見一郎 古賀史健

普段は自己啓発本のような本はあまり読まないのだが,そんな私でも耳にしたことのある名著『嫌われる勇気』を今回は読むことにした。 一個人の趣味嗜好を長々と書き連ねた文章ではなく,いわゆるソクラテス式問答法のような形で,哲人が青年をアドラー心理学…

「女系家族」山崎豊子

山崎豊子さんの小説は面白い。 過去に『白い巨塔』や『運命の人』などを読んだが,出てくる人間のほとんどが欲望に忠実であり,打算的に生きている。 この度,久しぶりにそんな世界観を味わいたくなり,Amazonの検索ランキングで上位に来ていた『女系家族』…

「社会人大学人見知り学部 卒業見込」若林正恭

オードリーの若林さんといえば人見知りや,女の子が苦手などということがいじられがちだが,この本はそんな若林さんが日常の中でふと思うことや,常々感じていることを3ページくらいにまとめ,書き連ねたものである。 芸人さんの本らしく,テンポよく進んで…

「マネー・ボール」マイケル・ルイス

皆さんは野球を見るとき,何に注目しているだろうか? 純粋に試合を楽しむ人もいれば,打率や防御率などの数値を見ながら楽しむ人もいるだろう。中には,OPSやWHIPなどのいわゆるセイバーメトリクスを見ながら楽しむ人もいるかもしれない。 この本はメジャー…

「軌道」松本創

本書は,福知山線脱線事故の被害者遺族である浅野弥三一さんが加害者企業であるJR西日本を変えるために闘う様を,神戸新聞の元記者である著者,松本創さんが記録したものである。私は福知山線脱線事故当時まだ小学生だったため,事故についての知識が浅く,…